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葵さんと黒猫さんの徒然なる日常(と言うかただのかけあい) 偶に長編キャラがパーソナリティを務めるキャラすた! を行います。 基本的にみんなお馬鹿さんです。 感染しないようご注意下さい!
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猫「ホラーものショートショートとか書いてみました」
葵「あら、珍しい」
猫「ホラーと言っていいのか分かりませんが書き手がホラーと言い張ればホラーというのならばホラーだと言うことで良いんだと思います」
葵「まぁ、あんたが書いたらヌルいのになりそうだけどね」
猫「グロくなく怖いものを目指したらヌルいのになっちゃった気がしますが結果オーライ! とりあえず続きからに乗せて起きますので宜しければどうぞー。よく判らない作品となっております」
葵「あんたが言っちゃダメだろ。そう言いたくなる気持ちは分かるけど」
猫「久々文章書いたのでちょっと楽しかったです。長編とかまた書きたいですがしばらくはこうして突発ショートショートでリハビリしたいなーとぼんやり考えてますよろしくお願いしますー」
葵「がんばー」
猫「ではでは今日はこの辺で!」

 
 
  ぽた   ぽた
 
 
     ぽた     ぽた
 
 
水の滴り落ちる音がする。
暗闇の中、一定の間隔で響くその音は、何処から聞こえてきているのか。
 
 
  ぽた ぱた  ぽた ぱた
 
 
音源を探して闇の中に足を踏み出せば、水滴と共に自分の足音も響く。
何処か広い空洞の中にいるようだ。
 
 
  ぽた ぱた  ぽた ぱたぱた
 
 
不意に、足音が一つ増えた気がした。
暗闇を振り返っても、後ろには暗闇が続くばかり。
耳を澄まして、聞こえてくるのは自分の息づかいと水滴の音。
誰もいないのか、と正面を向いたその先に、ぼぅっと明かりが現れた。
 
「こんな所でどうなさった?」
 
提灯に照らされた老人が、しわがれた声でそう尋ねた。
 
「道に迷われたか。家へ帰るならこちらにおいで」
 
ニタリと笑った老人は杖をつきながらもしっかりとした足取りで暗闇を進む。
提灯の明かりは足下のほんのわずかを照らしだすのみで、その周りに広がる闇は一層深みを増す。
 
 
  ぽた   ぽた
  ぱたぱた  ぱたぱた
 
     ぽた     ぽた
     ぽたぽた    ぱたぱた
 
 
二人分の足音が響く闇の中で、変わらずに響く水滴の音。
老人に、この近くには泉でもあるのかと尋ねてみる。
 
「否、この辺りにあるのは石と砂ばかり」
 
老人の答えは否。
それでも確かに、闇の中に響く水滴の音。
水の音が聞こえないかと尋ねてみると。
 
「はて、そのような音は聞こえませぬ」
 
老人は振り返りもせずにそう答えた。
ふいに、老人の進む先に嫌な気配がした。
こちらが足を止めたのに気付いた老人は肩越しに振り返る。
 
「臆してはならぬ。先へ進まねば」
 
いきたくないのだと首を振れば、老人は正面を向き直り。
 
「ならば此処で彷徨われるが良かろう」
 
言い捨てた老人は明かりを手にすたすたと先へ進んでいく。
ズズッとあたりを取り巻く暗闇がこちらを飲み込んでいく。
 
闇に、喰われる。
 
そう感じた瞬間、後ろから迫る暗闇が恐ろしくて溜まらず、前へと足を踏み出した。
次の瞬間、眩い光に飲み込まれた。おだやかな言葉が響く。
 
 
                おかえりなさい。
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