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葵さんと黒猫さんの徒然なる日常(と言うかただのかけあい) 偶に長編キャラがパーソナリティを務めるキャラすた! を行います。 基本的にみんなお馬鹿さんです。 感染しないようご注意下さい!
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猫「昨日今日と登録派遣の研修に行ってました」
葵「へぇ、お疲れ」
猫「どうにもやる気がでなくて困った物でした。どのくらいやる気無かったかというと休み時間黙々貰ったプリントの裏にショートショート書いてたくらい」
葵「……ショートショートブーム?」
猫「みたいですね。いや、昨日は意味が分かると怖い話ボットをひたすら読んでたからかも知れません」
葵「……周りと交流しろよ……」
猫「そう言うスイッチは今回たまたまオフになってたんです。そう言うときがあるめんどくさい人間ですと言うことでそれはさておきカリカリ書いたショートショートこそっとまた続きからに乗せておきます。意味が分かると怖い話というか、またよく判らない感じの物になってますが暇つぶしにでもなれば幸いです」
葵「ん。了解」
猫「明日はお友達とお買い物行って来ますそれだけが楽しみでしたー! ではではっ」


「もし、今何か落としませんでしたか」

そこにいたのは取り立てて特徴のない、何処にでもいる顔の青年だった。
彼が指しだしているものを見ると、それは自分の定期券だった。
お礼を言って受け取ると、青年はどういたしましてと答えた。
それを聞いてふと、何処かで見たことのある顔だと気付いたその時、青年が口を開いた。

「僕の顔に何かついてますか?」

そんなに相手の顔を凝視してしまっていただろうかとふと我に返る。
いいえ、と首を振れば青年は可笑しそうに笑って続けた。

「そうですか。時々そう聞くと逃げ出す人がいるんですよ」

どういう事だろうか。目の前の青年は本当に特徴のない、平凡な青年にみえる。
こちらが返答に困っている様子に、青年は愛想良く笑って続けた。

「全く世の中には変わった人がいるものですね。そう言えば、先日此処で妙なビラを配っている人に会いましたよ。この世には見えない力が働いていて、運勢なんかはそれに左右されて居るんだとか」

青年の言葉に、そう言えば自分も先日此処を通ったとき、そんなビラを受け取ったことを思い出した。

「新手の宗教みたいでしたけど、そんな子供の考えた嘘みたいな話を信じる人もいるんですかね。貰ったビラなんてすぐに捨ててしまいましたよ」

青年はそんな風にペラペラとその後も話を続けた。
ポケットティッシュならば広告を無視して使えるから受け取りがいもあるだとか。
こんな中途半端な道でなく、もっと駅前で配るべきだろうとか。
そもそも神や見えない物を崇めたり怖れたりすることは不毛だとか。
初対面であるにもかかわらずよく喋る青年は、しかし自分が感じていたこととすっかり同じで思わず時間を忘れて話し込んでしまった。
ふと腕時計を見ると、早々に話を切り上げなければならない時間になっていて内心ヒヤリとする。
どう切りだした物かと考えていたとき。

「おや失礼、すっかり話し込んでしまいました。こんなに話しやすい方と会ったのは初めてでしたからね。この辺りで失礼させて頂きます。ありがとうございました」

敏感にこちらの気配を感じ取ったらしい青年は愛想良くそう言ってぺこりと頭を下げると、スタスタと歩き去っていった。
急かしてしまったかと後悔しながらその後ろ姿を見送っていたその時、不意に青年がこちらを振り返って微笑んだ。

「大丈夫、またすぐお会い致しましょう」

そう言った彼は、こちらがどういう意味かと尋ねる間もなく角を曲がって姿を消した。
追いかけて尋ねる時間はないので、不思議に思いながらも踵を返し、先を急ごうと前を向く。
ふと、その先に建っているビルのガラス張りの窓に映る自分の姿が目に入った。
何の特徴もない、何処に出もいる青年が、狐に摘まれたような顔をしてそこに映っていた。
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